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手抜きの美学

カレードリアを本格的に作ろうと思うとけっこうめんどくさい。
まずバターライス作って、それからベシャメルソース作って、カレーソース作って、チーズまで用意しなきゃだ。
どうかしたら卵までいる。
めんどくさいのでバターライスを普通の白ごはんに変えて、ベシャメルソースとチーズもやめて、カレーソースだけかけてオーブンにぶっ込んだ「手抜きカレードリア」にしちゃえば楽だよね。
でも手抜きカレードリアて思われたら、価値が著しく下がるよね。
そこで
「焼きカレー」てことにしちゃえば新たな価値が生まれるわけだ。
ぼくはこの「ものは言いよう」てのはけっこう大事だと思っててね、ちょっとアレンジするだけでまったく新しい魅力ある商品に生まれ変わるってのはいいよね。
以前、バーをしながら商品開発の仕事などにも関わってたので、こういう発想はすきなのです。
で、ビールをトマトジュースで割った「レッドアイ」というスタンダードカクテルがあるのだけど、これを口の中で作ったら面白いかなと考えた。
トマトを頬張ってもぐもぐしてるところにビールを流し込んで「食べるレッドアイ」として販売。
トマトは農家さんとこに買い付けに行ったものを使って、ビールはイギリスのオーガニックビールを使うというこだわりよう。
だから2000円ぐらいの値段をつけたと記憶してるんだけど、めちゃくちゃ売れたんですよ。
カクテル覚えたての頃は、あれを加えこれを加えした足し算しまくりのカクテルを作ってたのだけど、だんだん素材の味で遊ぶほうが楽しくなるわけさ。
これなんてまさにそうで、トマトを盛り付けてビールの栓抜いただけの超引き算カクテル。
でも、腕をふるわないというのも腕前なんじゃないかと思うのね。手抜きっちゃ手抜きなんだけど、それはこれまでの経験値があればこそ出来たことでもあるわけだけでさ。
だから足し算というのは「あ、引けばいいのね」て気づくためには必要なプロセスだと思う。
ちなみにこれは今まで作ったレッドアイの中で一番の美味しかったよ。
ところで、オリジナルカクテルが作れるって、なんだか凄いことのように思われるかもしれないけど、ぼくは全然そんなことないと思ってる。
500種類のオリジナルカクテルが作れることよりも、お客さまに合わせて10通りのレッドアイを作るほうが難しいように思う。そっちの方がエゴが通用しないもん。
それにしてもこの「食べるレッドアイ」、一見おしゃれだし斬新なアイデアみたく見えるけど
トマトをつまみにビール飲んでるだけだからね
ね、見せ方でこんなにもイメージが変わるから面白いよね。
そうそう、話しはちょっと違うけど、ウォッカのトマトジュース割りで「ブラッディメアリー」てあるじゃない?
それの究極のやつを作ってみようとしたこともあったんだよ。
すっごく美味いトマトを大量に低速ミキサーにかけて、それを晒し布で一日かけて濾して、エキス分だけを抽出した超極上トマトジュースを作ったんよ。
トマトの旨味って赤いとこじゃなくて透明のエキス分のとこなんだよね。
で、その琥珀色に輝く超極上トマトジュースとウォッカで作ったブラッディメアリーというのがこちら。
ブラッディくないメアリー
血、出てないじゃーん。
まったく別物のカクテルだったね。ハチミツみたいに甘いんだよ。しかしこれはほんとに美味かった。
というわけで
「無血のメアリー」と命名。
これも究極の引き算した末に生まれた宝石みたいなトマトジュースだもんな。
ということで、引き算のお話しでした。

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